Satoshi Masuda/増田哲士/陶のうつわ
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渡英日記 その1〜ロンドン編〜
1992年の初めてのイギリス滞在日記に現在の視点でコメントをしてみました。
当時の文章を読んでいると、自分の皮肉っぽい性格の悪さ(?)が顕著に現れているなと思います。
失礼なものいいは、若気の至りと思ってどうかご容赦ください。
ロンドン滞在中のできごとを綴っています。



1992.7.9.

飛行機が出発したが、思ったより大した感動は無い。いつの間にか離陸していた。
はじめは町が見えてスゴイとおもったが、雲の上に出ると空ばかりだった。当たり前だが・・・。

窓から雲海が広がってるのが見えた。
夜明け頃、ご来光が見えた。飛行機の羽と雲の間にオレンジの太陽が見え隠れしてて、もうなんとも言えなかった。
はるか下に川らしきもの、道路、家の明かりが星のように見えていた。
一面に広がる雲と地平線を見てて地球は大きかったんやと実感した。
一生忘れられん光景やと思う。
Re:
初めての飛行機と海外だったね。
いまでも本当に覚えてるよ、あの光景は。



1992.7.10.

ヒースローについた。
もうさびれててとてもロンドンの玄関だとは思えない空港だった。
入国審査のおっちゃんがいけずな人でとても困った。全く(でもないが)何言ってんのかわからない。
ようやく入国できたあと、振り返ってみたら、その人のところで日本人らしき人がまたいぢめられていた。
Under GroundでKing`s Crossへ行くが、Under Groundは「きたない、せまい、ゆれまくる」と三拍子そろっていた。
京阪電車のなんと高級なことかと思った。

Re:
空港のトイレで手を洗おうとしたら「お湯」と「水」のレバー。
「お湯」のレバーを押すとドババーっと熱湯!
うわ熱っ、と思って、「水」のレバーを押そうと思ったが、
ものすごく硬くてなかなか出ないので、えいっと押したらブッシャー!
ど、どうすれバインダー!
ヒースロー、とても思い出深い空港。



1992.7.11.

それにしてもイギリスの土地は平坦である。どこまでも丘がつづいている。視野が広い!
あと夜9時でも明るくて調子がくるってしまう。12時頃になったらやっと夜らしくなってくるものだから一日が長くてしかたがない。
Re:
どこを見渡しても山が無い。そのせいか風がとても強い時があったな。
夏とは逆に冬は夜が長いらしい。暗い時間が長いより明るいほうが圧倒的にいい。
でもイギリスの冬も一度は経験してみたいものです。



1992.7.13.

Tower of Londonに行く。朝駅で一日乗車のTravel Cardを買おうとしたが、早く来すぎて売ってくれなかった。
仕方が無いから雨の中バス停でぶーたれながら待ってから電車に乗った。

Fenchurch Street駅について紅茶飲んで一息ついてからTower of Londonの方へ行った。
中に入ったは良いが、すごい観光客の数である。ラテン系の人間が多く、日本人も多くいた。
カッコつけて英語版買ってわからんかったらあほみたいやし日本語版のガイドブックを買った。
昔の衣装着た案内のおじさんが大声でわめいているのをしり目にぐるっとひと回りして、
あまりじっくり全て見ずにみやげ物を少し買って帰った。
でも、中にある武器(ソード、ランス、ポールアックス、鎧など)の展示は体力があればもっとゆっくり見たかったように思う。
Tower Bridgeの手すり、柵はきわめて悪趣味な色合わせでぬられており最悪であった。
(ドス黒い赤、白、軽薄なスカイブルー)風も強いし雨も降るしでさいあく。
それに最近まともな食事をしていない。昨日もイギリスくんだりまで来てマクドだけには世話になるまいと思っていたにもかかわらず、
Pさんといつのまにか入ってしまっていた。
今日も橋のたもとの店でジャケットポテトを食べたが、何を食べてるのかわからなかった。
今日こそは早く帰ってまともなものを食べようと急いで帰った。
その晩は家にあるものでコンソメ野菜ラーメンを作って食ったが、なかなかよくできた。
ひさしぶりの手料理だったので、たいしたものではないにしても、涙流してむさぼるように(かどうかわからないが)食べた。

Re:
中学、高校時代はD&D(Dungeons&Dragons)というテーブルトークロールプレイングゲームにはまっていた。
数人のプレイヤーとダンジョンマスター(進行役)が会話をして冒険のストーリーを展開するゲームで、
僕は最前列でモンスターと戦うドワーフ戦士(ロードオブザリングのギムリみたいな)役だった。
自分が青白いもやし君だから、空想の世界ではマッチョにあこがれてたんですねぇ。
今ならウィザード(魔法使い)をやってみたいです。


1992.7.16.

今日はKew Gardensへ行った。
ものすごく眠たかったが、10時半ごろ家を出て、
Laindon駅からFenchurch street駅まで行って、Tower HillというUndergroundの駅からRichmond行きに乗ってついた。
Kew Gardensへ行くまでの町並みはレゴのおもちゃのような家が立ち並びイギリスらしかった。
それにしてもKewは広い!それに木は大きいし、芝生はあおあおとしてきれいである。
珍しい植物がたくさんあるわけではないが、その落ち着いた雰囲気が、とても居心地がよく、
くつろぐ公園としてのツボをおさえた良い公園だと思った。
長いすがいたるところにあるのもうれしい。あまりうろうろするのも体が半分寝ていてつらかったので、
半分くらい(もしかしてそれ以上)の時間はイスに座ってボーっとしていた。
Tower Hillの駅近くで買ったサンドウィッチはおいしかった。
ヒースローが近いせいか、もうひっきりなしに飛行機が飛び交っていた。
帰りの電車をいきなり間違えてしまったが、親切なおじさんとおねえさんが教えてくれてどうにか帰りつけたのである。
Re:
この日はほんとうに足が重くて、まぶたが勝手に閉じようとするぐらいにヨタついていたなぁ。
キューガーデンは好きだけど、やっぱりなんと言ってもくつろぐならハイドパーク!
リスがあそびにきてくれたり、何時間ぼーっとしてもタダだし、アルビオンミューズも近いし、最高!
ただ馬糞にはご注意。


1992.7.19.

わたしは今日はじめて「クリケット」なるものを見た。
Pさん(仮名)が好きらしく、Southendという海辺の町(Morrisseyの「Everyday is like sunday」のビデオの舞台)にある競技場に連れて行ってくれた。
ものすごい人(でもないかも・・・)だった。試合が始まるまでの間、子供から若いにいちゃんまでがバットみたいなんを振り回して遊んでいたが、皆とても元気で「若者なのね・・」と思った。
試合が始まるらしくなんかコート(広い野原みたい)の真ん中に人が集まってなんかし始めた。
先攻でも決めてるのかなと思っていつはじまるのだらうか?と待っていたら、じつはもう始まっていたらしく、
周りの人が突然拍手したり声をあげたりした。
えっ!もうはじまっとるん?と聞くのもなんか失礼かと思ったが、
かといって何がなんだかわからないのに拍手したり面白がるのもよくない。
Pさんに一人6ポンドも払ってもらって観もしないで寝てしまうのはあまりにもひどい、けどやっぱり眠いのである。
何か食べてでも起きていなくては・・・。前に座ったおばさんはえらく熱心に得点表を付けている。
30分目にしてすでに眠気がひどくなった。
とりあえず野球に似たものらしいが、日本に帰ったら野球ファンになってしまうかもしれないと思うほど、
野球がいかに面白いか「クリケット」を見て思った。なんでこんなんで皆楽しめるのだろう。
なんかまわりは年寄りから子供までいっぱいいて、とくにフーリガンみたいな若者が大騒ぎしていたが、
どうやったらこのクリケットでそこまで盛り上がれるのだらうか?
6時間ねばったあと、そのゲームは終わった。始まったときと同じように終わった。
いつ何点どちらのチームに入って、一体どちらが勝ったのかも分からなかったが、とりあえず帰れるのかと思ったら、
Pさんがこれからクレイジーゴルフなるものをしにいこうなんて言う。
もう頭がくらくらした。すでに7時30分をまわっていた。
それにしても皆菓子や飲み物をよく食うね・・それにゴミをポンポン捨てるしきたないきたない。
なんであんなんなんだろう?
まったく今日ほど一日が長い日はなかったんではないだろうか・・・・。
Re:
「若者なのね・・」って君も若者やろ〜!と言いたいですな。
Pさんはホームステイさせてもらっていた方。
今思うとあんなに親切にしてくださってたのに、なんだか失礼な態度で申し訳ないです。



1992.7.20.

朝からすごくねむい。今日は洗濯屋さん行って買い物してから、少し朝寝をしたり、
買ってきたスコーンとジャムでいかにもイギリスらしいお茶をした。あまりにおいしいものだから、3つも食ってしまった。
そのあともまだ眠くてまた家の中でだらけてしまって1日がおわった。
Re:
あなたなんだか毎日ねむいって言っていますねぇ・・・。



1992.7.22.

Lucie Rie に会った。
・・・・・これ以上書けない。
Re:
あの時僕は、生涯消えることのない「光」をもらったんだと思います。



1992.7.24.

今度はBritish Museumへ行った。
すごい観光客だった。日本のツアーイズムの人々が参加章とかいうバッジをつけてぞろぞろ歩いていた。
それにしてもおみやげを買う量が極めてはなはだしいのにはまいってしまった。
やはりここは観光名所なのね・・・。
関係ないが、Tower Hill駅近くのサンドウィッチはうまい。またしても買ってしまった。
これで三度目だから三度ウィッチ・・・またつまらんことをおもいついてしまった。疲れてる証拠や。

British Museumは想像をはるかに(かどうかはわからないが)下回るところだった。
なんかがっかり・・・。
今日見るまでは、天井がすごく高くて床は大理石でできたカッコイイ建物で、
空気は冷たく足音が響くような室内だろうと思っていたのに・・・。
天井は低く、空気は蒸れたようなヘンなにおいがして、
観光客(自分もそうではあるが)とくに日本のじじばばツアーイズムとラテン系の人々がぞろぞろと練り歩くものだから、
とほほとなってしまった。
しかし確かに世界一というだけのコレクションの数々である。
よくこれだけのものを英国は略奪してきたものだ、とつくづく思ってしまった。
Re:
一体何様のつもりなんでしょうか?
自分のことを棚にあげて、人様をまるでばかもの呼ばわりしていますね。
それにツアーイズムじゃなくてツーリズムですから。

タワーヒルのサンドウィッチ!懐かしい!
パンと好きな具を選んでその場ではさんで半分に切って、2分で買い物終了。
ブラウンのパンにカリードターキー(タンドリーチキン?)が好きだったなぁ・・・。
多分この日もそう。



1992.7.28.

Lucie Rie のStudioを見た。
Maxというおじいさんは良い人だった。
Re:
正確にはDr.Max Mayerさんです。
何もわかってない僕に対し、とても親切に案内してくださいました。
いくら感謝してもしきれません。
それにしても、「おじいさん」っていうのはどうかと・・・




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